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【雑記】母が帰ってこなかった話

60近い母が同窓会に行ったきり、帰ってこなかった話。

今晩は仕事のあと東京駅で同窓会だと言っていた母が、2時を過ぎても家へ帰ってこなかった。妹と鬼電、鬼ラインをするも、繋がらず、既読つかず。東京駅で線路へ人が立ち入り、電車や新幹線が遅れる事件があったそうだが、それにしても終電は終わっているだろうし、なぜ帰ってこないのか。60近いジジババがこんなに遅くまで飲み会をするだろうか。

母が家に戻ってこない時間が過去最長記録を更新し、妹と弟も動揺し、心配が極まって、ついに母のフェイスブックアカウントから母の同窓生にメッセージを送った(パソコンで自動ログインできた)。母が遅いのに家に戻っていないことを伝え、解散時間と解散場所を教えて欲しい旨と、私の連絡先を記した。こんな深夜に60近いおじさまがフェイスブックにログインして(あるいはアプリで)メッセージを見るのか、定かではないが送らずにはいられないぐらい気持ちが追い詰められていた。不安な顔をした妹と、無関心をおそらく装っている弟も今までにないくらい不安そうだった。

その日私は胃の調子が悪かったのだが、避けられない飲み会があり(先日すでに送別会済みの、今日で退職する先輩の送別会第2弾が急遽催されることになり、参加せざるを得なかった)、最初の乾杯の一杯だけビール、あとはウーロン茶を頼み続けていたものの、さらに胃を痛めてしまった。

母の心配も相まってか痛みが酷かったので、気休めにスープを買いに行こうと深夜3時にコンビニへ行った。母が家路に着くまでの想定の経路を網羅するように、駅の脇の道路を通り、駅前を通過し商店街に入り、まっすぐにコンビニに向かわず路地に入ってまた出るなどして、最終的に家から一番近いコンビニに着いた。途中何台もの深夜の割増料金のタクシーとすれ違った。母が乗っていないかと思いながら乗客の顔を確認した。

コンビニではじゃがいものポタージュと切り売りのパイナップルを買った。レジに母の日のポスターが貼ってあった。

帰りは違う道をわざと通った。雨が降っていたので、何処かで滑って転んでいないかと思いながら歩いた。普段の3倍ぐらいの時間をかけて家に戻ってきた。途中、私と入れ違いで母が帰ってきていないかという考えに至った。戻りの遅い母が心配してラインをしていないかと思った。何度も電源ボタンを押して通知が来ていないか確認した。

家に戻り、2階に上がってリビングのドアを開けると同時に、床で毛布をかぶって寝ていた弟がガバッと布団をはいで顔をだした。明らかに、誰が帰ってきたのかを確認していた風だった。

それから10分ほど経った3時40分頃、母が帰ってきた。会はついさっき終わり、タクシーで帰ってきたのだと言った。

妹と弟は激しく怒るでもなく、明らかに安堵を見せるでもなく、微睡みながら「帰ってきたのか」という反応だった。少なからず安心したのだろう。私は少し怒っていたが通常より少し苛立っている感じの口調で、みんな心配していたことと、フェイスブックメッセージを友人に送ってしまったことを言った。

みんなが遅くても私は心配しないのに、と母は言った。少し嬉しそうだった。

妹も弟も、今はすーすー寝息を立てて寝ている。